説明できないほど物凄いアルバムです。 [魏如萱/ウェイ・ルーシュエン/娃娃/Waa/台湾]
「不允許哭泣的場合」 2011年11月10日 亞神音樂
歌詞 iTunesストアweb試聴 01. 溶話
02. 三個字
→新MV 03. 一時
04. 脫光光
05. 抽屜
06. 隕石
→MV 07. 勾引
08. 晚安晚安
→MV 09. 我們
→MV 10. 飛鳥
11. 吼友
12. 嗚
※リンクはWaaのYouTubeチャンネル う~ん…。言葉が見つかりません。しかし書かずにはいられないほどの感動があります。形の見えない何か得体の知れないエネルギーが迫って来ます。
そもそもWaaの1stを聴いた時からこの人は捕らえ所がありませんでした。(前回の2ndはレビューを書いていませんが)その捕らえ所のない所へ2ndの更に捕らえ所のない進化をしたWaaがやって来て、今回も更に大きく進化しています。先日の東京ライブで1stの曲を1曲もやらなかった理由が分かりました。もうあの1stのWaaは存在していないのです。
ライブではいたって愉快なおねーちゃんでしたが、それがまた余計に捕らえ所をなくします。
プログレッシブ・ロックという言葉で語ると、ちょっと説明が楽になります。MVが先行で出ていた「隕石」を聴くとその言葉が当てはまる気がします。しかし、そもそもプログレとは前衛的で説明出来ないロックをそう呼び始めたわけで、結局説明出来ていないことになるのかも知れません。
このアルバムは2ndと同様に、パワフルな声と突如飛び出す可愛らしい声が混在していて私の脳波が撹乱します。時々その可愛らしい声が太い声に微妙にモーフィングしていく時があり、変幻自在の7色ボイスに背筋がぞくっとする感動を覚えます。
1曲目から意外な曲が飛び出してきます。1曲目「溶話」は前回書いた許茹芸 (バレン・スー) の「你聽見了 (我) 嗎?」の世界観と同じで、私は続けざまに聴いたものでちょっと混乱しました。オーケストラが入ったとてもゴージャスで小じゃれた曲で、古いハリウッドミュージカルのような世界を可愛らしい声で歌っています。
ところが2曲目「三個字」のロカビリーでストレートパンチを食らいます。Waaはどこからこんなセンスを仕入れたのでしょう。
「脫光光」の前半ではちらっと1stのWaaが顔をのぞかせます。
5曲目「抽屜」はインストゥルメンタルで、ピアノと弦によるタンゴです。これは切れ目なく次の「隕石」へとつながります。
「勾引」は8分を超える楽曲で、歌にラジオボイスの語りが絡む、これもプログレと呼んでいいような前衛的な曲です。
「晚安晚安」は可愛らしい声で歌う華麗で切ないバラードで、素晴らしく美しいストリングスアレンジがされています。Waaの歌声が沁みてきて遠い気持ちにさせられます。続く「我們」もストリングスやホルンが入ってくる穏やかなバラードです。かと思うと「吼友」では脳をぐちゃぐちゃにシェイクされました。信じられないほどの声の変化、キャラの変化です。
捕らえ所が無いままに取り留めも無く書いてしまいましたが、このアルバムには世界のどこにもないWaaの宇宙があります。これは聴いてもらわないことにはとても言葉で説明出来る世界ではありません。とにかくこれは物凄いアルバムです。
・・・・・・・・・・・・・・ 上のジャケ写は外箱のもので、中はハードカバーの本になっていて、これ自体が写真集&歌詞カードです。いつもながらアーティスティックな写真で飾られています。このあたり陳綺貞 (チアー・チェン) との共通点が多くあります。
→[預購版] HMV →百楽園 →[預購版] アジアンドロップス →[預購版] YESASIA (香港・日本語) →博客來 (台湾) ※台湾の博客來から発売日の10日に発送通知が来て、翌日届きました。早っ。
さて、預購版には特典でライブCDが付いていました。(現時点で預購版はまだ入手出来ます)
「2010魏如萱<優雅的刺蝟>香港音樂會Live」 01. 我爸的筆
02. 買你
03. 門+香格里拉
04. 一刀兩刃
05. 問號
06. Ophelia+冰冷的狂熱
07. 麋人
08. 局部的人
09. 一顆灰塵
10. 泡泡
この特典は嬉しかったです、東京ライブを思い出します。「我爸的筆」は今度のアルバムの新曲かと思ったらアルバム未収録曲だったんですね。ほかに「Ophelia+冰冷的狂熱」も未収録曲です。「局部的人」からの3曲の熱唱が素晴らしく、「泡泡」はやはり感動します。
このライブではプロデューサーの陳建騏 (チェン・ジエンチー) がピアノで参加しています。東京ライブには陳建騏は来ていたようですが、キーボード2人分のスペースがなかったのでしょうか。ステージがあまりにも狭かったですから。
日付のクレジットがないのですが、これは明らかにYouTubeに上がっている2010年12月13日のときのものです。
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泡泡 - 魏如萱優雅的刺蝟音樂會 - YouTube ●
ophelia+冰冷的狂熱 - YouTube ついでなので…
Waaの東京ライブ後日談 WaaのFacebookによると、10月26日、ライブ後に恵比寿の焼き肉屋で打ち上げをやったそうです。
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Facebookの写真と記事1 「ライブでは多くの成熟した大人たちがとても熱心に聴いてくれた」「日本語をしゃべったら笑われた。私もおかしかった」など書いています。日本の報道で「4年ぶり」などと書かれたものがありましたが、「初めての日本ライブ」と書いてあります。Waaはライブの時も「今日ちょっと寒いね」と言っていましたが、東京の気温はやはりWaaにはかなり寒かったようです。
翌日27日はまず横浜のラジオ局での出演と、産経新聞のインタビューなど。
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Facebookの写真と記事2 更に3つの雑誌のインタビューで日本での仕事は終了。
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Facebookの写真と記事3 これらの記事は新浪微博のほうにも同じものが文字も画像にしてアップされているのですが、微博には3つ目の記事の最後に「では、お大事に、またそのうちに :) 」と日本語で書いてあります。そのコメント欄に自分で「間違えた!お大事には病人に言う言葉だ」と書いています。
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新浪微博の写真と記事 そして翌日28日には香港へ向かい、29日と30日に「香港海洋音樂祭 HOHAIYAN 2011」という音楽フェスに出演しました。
トリビア情報 ルーユン(許茹芸) のYouTubeチャンネルを見ていたら、Google+というのを使って、プロデューサーの陳建騏 (チェン・ジエンチー) とルーユンがPCでテレビ電話をしている動画がありました。陳建騏は「今日本にいるよ。娃娃魏如萱のライブがあるんだ」というようなことを動画の冒頭で言っています。
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許茹芸 用Google+ Hangouts 與在日本的 陳建騏 & 歌迷 對話 - YouTube ◯
魏如萱 Facebook (未登録では最近の記事のみ閲覧可能)
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魏如萱waa 新浪微博 ◯
魏如萱のYouTubeチャンネル 魏如萱 wèi rú xuān ウェイ・ルーシュエン 発音→
※ウェード式表記 : wei ju hsuan
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テーマ : 台湾ポップス - ジャンル : 音楽
タグ : 魏如萱 ウェイ・ルーシュエン 台湾女性歌手 CDレビュー