企画物を除くと2年以上ぶりに出たF.I.R.の5枚目のアルバム。期待して聴きました。
「讓我們一起微笑吧!」2009年12月25日
歌詞 01. Find My Way
→MV 02. I Am Here
03. 向日葵盛開的夏季
04. 紀念日
05. 衝浪季節
06. 紅潮
07. 荊棘裡的花
→MV 08. 讓我們一起微笑
09. 貓頭鷹的夢
10. We Are...
→MV 11. Hero
1曲目でいきなりどこかで聞いたようなギターのフレーズが出て来ます。昔のF.I.R.のいろんなフレーズをつなぎ合わせたような元気のいい曲で、前回のアルバムでは「ちょっと違うF.I.R.」というのを聞かせてくれましたが、それ以前のF.I.R.が戻ってきたかのようです。かつては似たフレーズがやたら出てくるのがF.I.R.の特徴でもあったのですが、今回はこの曲以外はそれほどでもありません。
ラストの「Hero」をフェイが作詞作曲している以外は全て阿沁が作詞作曲していて(一部フェイが共同作詞)、プロデュースもこの2人がやっています。イアン先生はエグゼクティブプロデューサーとして演奏にも参加せず、「今回は2人を自由に遊ばせた」と言って、見ていただけのようです。
さて、今回は何と言っても上記「Find My Way」と「I Am Here」「We Are...」が彼ららしいかっこいい曲です。特に「We Are...」の曲の展開が気持ちいいです。ただ後半の耳が遠くなるような機械的ブレイクはやり過ぎというか、遊び過ぎのように思えますが。
5曲目「衝浪季節」というコミカルな曲。バリエーションとしてこういう曲も入れてみたのでしょうけど、飛ばしたくなります。ちょっと遊び過ぎです。彼らにこういう曲を期待する人がどれほどいるでしょう。
アルバムの中盤、「紅潮」から3曲バラードが続きます。「荊棘裡的花」は素晴らしいバラードなのですが、次の「讓我們一起微笑」があんにゅいな曲で、単体で聞くと不思議で面白い曲なのですが、このあたりで眠気をもよおします。ちょっと曲順に問題があって中だるみを作ってしまっています。ここを通り越すのがちょっと辛いです。
ラストのフェイが書いた「Hero」は、フェイは阿沁から影響を受けているのか、やはりF.I.R.らしさがあるのが面白いです。
全体に曲はいいけど構成に問題ありというところでしょうか。しかし時間をかけただけあって、アレンジやミキシングなどアイデア満載で、とても緻密な作りにはなっていますし、細かいところで新しい挑戦をたくさんやっているように思えます。台北の「強力録音室」というところでミキシングが行なわれていますが、丁噹 (ディンダン) の「夜貓」など、ここでミキシングされたものは音がかっこいいです。ストリングスはこれも北京で録られています。
F.I.R.のライブ演奏ところで、彼らのライブ演奏というのは、以前にもYouTubeなどでカラオケでやっているのを見た事がありましたが、阿沁のギターは当てぶりで、イアン先生のキーボードは元々そんな音は入っていない振りだけをしています。カラオケでやる場合は現場の段取りとかもあるので仕方ないのかと思っていましたが、最近生で演奏している動画がけっこう出て来ています。テレビ番組「週日狂熱夜」に出た時のものを見ると、ギターソロはバックのサポートメンバーがほとんど弾いています。阿沁はというと、驚くほどへたなリズムギターを弾いてるんですねこれが。1人でリズムをはずしまくって汚い音を出しています。たまにソロを弾くと聞くに堪えません。イアン先生も弾いている音は全く聞こえておらず、やはりバックのメンバーがシンセを弾いています。イアン先生の場合は完全に割り切って振りだけに徹しているようです。
生演奏を聴いてかなり私は引いてしまいました。
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YouTube - F.I.R.飛兒樂團 - 千年之戀 (2007-10-14 週日狂熱夜 LIVE) …ほかの曲はこのアップ主のチャンネルから探してください。夢を壊されたくない人は見ないほうがいいです。
アルバムのクレジットを見ても、ギターをメインで弾いているのは阿沁ではないようです。今までもどれほど阿沁が弾いていたのか分かりません。ただ、似たフレーズがよく出てくるということは彼がフレーズを作っているということでしょうし、サウンド全体がデビューから一貫していますから、彼らがプロデュースしていることには間違いないでしょう。それにアルバムとしてはとても完成度の高い音を出していますし、阿沁は多くの人に素晴らしい楽曲を提供している才能のあるソングライターだと思います。
これは考え方の問題ですが、彼らはプロデュース集団であって、あくまでも周りのスタッフの力を借りてフェイという歌手のプロデュースをしているのではないかということです。F.I.R.はブランドで、ステージでは男2人は振りに徹しているというところでしょうか。ただ、ユニットに更にバックバンドが付いていると言う状態で、もはやバンドサウンドとは言いかねますね。これはフェイの歌を聴かせるためのユニットです。
ただ、彼らはとても日本人好みの音を創るわけですが、これでもし日本へ乗り込もうとしても当てぶりはもちろん、この演奏では日本で通用しません。結局フェイという歌手を売り込むしかないでしょう。フェイは本当に歌がうまい上に、とびきりの美人ですから、充分ソロでもやれるはずです。
ちょっと最近彼らを引いて見ています。
さて、この記事を書くのにもたもたしているうちに、まもなくこのアルバムの2ndバージョンが出てしまいます。DVD付きで、台北のライブハウス「河岸留言」で行なわれたライブの映像が入っています。狭い部屋での収録は、あとから音をいじりにくいのでちょっと聞き物です。
「讓我們一起微笑吧 ! <榮耀典藏版>」2010年2月12日現地発売。●
F.I.R. / 讓我們一起微笑吧! < 榮耀典藏版>CD+DVD …博客來網路書店 (台湾)
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讓我們一起微笑巴-榮耀典藏版(DVD付き, New Version)-F.i.r. …HMV ONLINE
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飛兒樂團F.I.R オフィシャルサイト●
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テーマ : 台湾ポップス - ジャンル : 音楽
タグ : F.I.R.飛兒樂團台湾グループ